＊なお、2021年度入試から従来の大学入試センター試験に代わり、新たに大学入学共通テストが実施されます。本文中の「センター試験」は「共通テスト」に読み替えていただいくことになりますが、共通テストは作問上の全国平均得点率の目標が50%とセンター試験の60％より低く設定されています。この結果、各大学の合格者平均得点率にも変化が起きることが予想されることから、今回記載した数値はあくまでも参考値としてお考えください。

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岡山大学
【国立大学・岡山県岡山市】
学部：文／法／経済／教育／理／工／環境理工／医／歯／薬／農

前期の個別試験の英語は例年、読解問題2題、英作文2題が出題されています。2019年度入試では読解問題の設問がすべて英語となりました。読解問題は、標準的なレベルの出題で文法や語彙など基本をきちんと身につけておくことが大切です。英作文も標準的ですが記述量は多めですので、実際に書いて練習をして、学校や予備校の先生に添削をお願いしましょう。

数学はすべて記述式で大問数は4題となっています。頻出項目は、理系では微・積分法、ベクトル、確率、数列などで、文系では微・積分法、ベクトルなどです。理科は、いずれの科目も標準レベルの出題が中心です。国語は現代文2題、古文1題、漢文1題の出題となっており、現代文は評論1題、小説1題となっています。

一方で、後期は上位大学からの併願先として狙われており、共通テストでも高い得点率が要求されます。

なお、2021年度入試では、薬学部〈前期〉〈後期〉で面接が課され、〈前期〉で化学が必須となります。

広島大学
【国立大学・広島県東広島市】
学部：文／法／経済／教育／総合科学／情報科学／理／工／医／歯／薬／生物生産

2020年度入試から、医学部医学科の後期が廃止となり、生物生産学部では面接が段階評価となりました。

前期の個別試験の英語は、読解問題3題、会話文1題、英作文1題となっています。読解問題は要約1題と読解総合2題となっています。英作文はグラフ・表の特徴をまとめる問題と、自由論述となっており、対策が必要です。数学はすべて記述式で大問数は理系の教育（第二類）・歯（口腔健康科学−口腔保健科）・情報科学〈A型〉が4題、その他の学部が5題、文系が4題となっています。国語は文学部・教育学部が現代文1題、古文1題、漢文1題、その他の学部は現代文3題の出題となっており、現代文は共通問題が評論、他は随筆と小説となっています。

どの教科・科目も教科書に沿った標準的な問題が出題されます。学校の授業内容をきちんと理解できるように、普段の学習を大切にしてください。ただし、医学部医学科は個別試験でもかなりの高得点が求められるため、ハイレベルな学力養成が不可欠です。

山口大学
【国立大学・山口県山口市】
学部：人文／経済／教育／国際総合科学／理／工／医／農／共同獣医

2020年度入試から農学部生物資源環境科学科、生物機能科学科で入試科目の変更、医学部医学科で募集人員の変更がありました。

前期の個別試験の英語は、読解問題2題、会話文と自由英作文の複合問題が1題となっています。読解問題は、読解力だけでなく思考力も問われる問題で、しっかりとした対策が必要です。会話文と自由英作文はe-mail形式をとることが多いのが特色です。

数学はすべて記述式で、大問数は前期が4題、後期は数理学科が3題、物理・情報科学科が4題となっていますが、解答欄は大きく、論述力が重視されます。国語は現代文・古文・漢文1題ずつで合計3題が出題されますが、古文は難しめの出題で、特にしっかりと対策してください。理科はいずれの科目も標準レベルの問題中心のため、基礎を固めてから過去問演習を進めましょう。

なお、2021年度入試では、工学部機械工学科〈前期〉、工学部感性デザイン工学科〈後期〉、農学部生物資源環境科学科〈後期〉で募集人員が変更されます。

徳島大学
【国立大学・徳島県徳島市】
学部：総合科学／理工／医／歯／薬／生物資源産業

徳島大は、一般選抜の入試配点は、医学部保健学科看護学専攻〈後期〉、薬学部創製薬科学科〈前期〉を除いた募集単位では、共通テスト重視の配点の予定です。合格のためには共通テストで確実に得点できる学力が要求されますが、特に医学部医学科、歯学部、薬学部では高得点が必要なことは従来のセンター試験と変わらないでしょう。

個別試験の出題を見ると、英語は大問3問で構成されていますが、2問は読解問題、1問は自由英作文となっています。数学は計算力を問う出題が目立ち、医学部医学科、歯学部、薬学部ではやや難問の出題が見られます。理科は、物理は標準的ですが、化学は独創的な難問も見られ、生物は標準的です。いずれも教科書の内容を完全に理解することが大切です。

なお、2021年度入試では、一般選抜の前期で、〈A選考〉として共通テスト＋個別試験で上位90％を合格とした後に、〈B選考〉として共通テスト＋個別試験と調査書の内容を総合的に評価して合格者を決定する方式を取り入れます。

九州大学
【国立大学・福岡県福岡市】
学部：文／法／経済／教育／共創／理／工／芸術工／医／歯／薬／農

九州大の入試問題は標準レベルが中心です。そのため、基礎力、応用力、答案作成力が身についているかどうかが反映されやすい出題内容だといえます。

前期では、科目負担が重い個別試験を実施していることも特徴で、文学部では国語、地歴、数学、外国語の4教科が課されます。共創学部〈前期〉の小論文は、複数の資料を分析し関連付け、全体的に情報をまとめる力が問われる出題です。様々な課題に自分自身が知識や情報を用いて、どのような現実的解決策を考案できるかを普段から意識してみましょう。

なお、2020年度入試から医学部医学科〈前期〉で、第1段階選抜基準が約4倍から約2.5倍へ変更され、歯学部〈前期〉とともに個別試験に面接が追加されました。

2021年度入試では、法学部〈後期〉の個別試験が小論文から講義に関する理解度確認試験に変更されます。経済学部経済・経営学科では総合型選抜の導入により、一般選抜の募集人員が大きく削減され、経済工学科〈後期〉では出願書類に志望理由書が追加されます。

長崎大学
【国立大学・長崎県長崎市】
学部：多文化社会／経済／教育／環境科学／工／医／歯／薬／水産／情報データ科学

長崎大の医学部医学科は、九州各県をはじめ西日本各地から受験生が集まるため、難易度は他学部を遥かに上回る高いものとなっています。また、多文化社会学部では共通テストの英語は従来のセンター試験同様に、英語外部検定試験のスコア・級により満点として取り扱います。

前期の個別試験は、どの教科・科目も標準的な問題の出題が中心です。多くの学部は1、2教科の出題ですが、薬学部と工学部は英数理1、医学部医学科は英数理2と3教科必須で他学部に比べて負担が重くなっています。

なお、2020年度入試から歯学部〈後期〉では2段階選抜が新たに実施され、個別試験の総合問題が論文に変更されました。

2021年度入試では、調査書の点数化（配点合計の10％以下）、個別試験での高度な記述式問題の導入、面接またはペーパーインタービューの実施、教育学部の後期廃止、薬学部〈後期〉で第1段階選抜基準を従来の得点から募集人員の20倍への変更などが発表されています。

熊本大学
【国立大学・熊本県熊本市】
学部：文／法／教育／理／工／医／薬

熊本大は、教育学部、医学部、薬学部は前期のみの募集です。

前期の個別試験は、全体的に国公立大学として概ね標準レベルの出題のため、学校の授業に沿ってしっかりと学習していれば特別な対策は必要ありません。ただし、国語の現代文は問題文のレベルが高く、論述力も必要なため、古文・漢文でしっかりと得点することが大切です。化学は、近年問題量が増加し難化傾向が続いており、論述問題と計算問題の過去問で練習を積んでおく必要があります。

後期の個別試験は理学部を除き教科試験はなく、小論文または面接を課しています。

なお、文学部、法学部、理学部、工学部では、国内外の地域の問題をグローバルに考え、果敢に行動する人材育成のためのカリキュラムを課すグローバルリーダーコース入試〈総合型選抜〉を行っています。

2021年度入試では、教育学部養護教諭養成課程〈前期〉、医学部保健学科検査技術学専攻〈前期〉の個別試験に面接が追加されることが予告されていますので対策が必要です。